休眠-おやすみ-

陽を落とした午後3時過ぎ
窓の外は 鳴り止まない蝉の声
この何もない 白い空白の部屋で
僕はいつから横になっていたのだろう

奪われたはずの左手の感覚は
未だ鮮やかに 明日を彩ろうと止まずに
掌から音を立てて砂は零れ
何故生きているの?
そんな事も今はわからない・・・

やがて日は流れて霞色に染まる
遠きあの日には戻れない

忘れた「想」よ
何故に空を睨むの?
奏でた旋律さえ
もう届かない夢の痕

羽のない小鳥よ 何故に窓辺に
それでもなお飛ぼうとするのは何故?
教えてよ

もう少しだけ もう少しだけ
夢の続き見ていたいよ
だからせめて今だけは「君」の声に委ねて

雲間挿す光の
向こう側で君は
笑えているだろうか
届いていますか「此の」声が

もう少しだけ
もう少しだけ 夢の続き見ていたいよ
だからせめて今だけは「君」の声に委ねて
今 笑顔で「おやすみ」を・・・

作詞:勇企
作曲:勇企/匠

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